2006年08月14日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 2678 count

めっちゃキャン 1 国広あづさ 九十九森 秋田書店

Written By: 川俣 晶連絡先

 これは面白い。

 絵に勢いがあるし。

 魚が美味そうに描かれているのも良いし。

 中央卸売市場についての蘊蓄の文字も多いし。

 主人公の少女も、江戸っ子らしい爽快感のあるタイプだし。

 ニヤリと笑って他人の事情にズカズカと入っていって、大立ち回りを演じたあげく、こじれた心の問題を解決して去っていく……なんていうヒロインはステキではありませんか?

 チマチマとこじんまりと上手くまとまった漫画というのは多いのですが、やはり枠に収まりきらないストレートな勢いのある作品の方が読んで気持ちよいですね。

興味を持ったもう1つの理由 §

 実は、拝御礼さんのブログのカツオに捕まり…で、自宅の徒歩圏内に中央卸売市場の松原分場という施設があることを知りました。いや、そこに何か施設があることは知っていましたが、それが「中央卸売市場」の「分場」だとは知りませんでした。更に、850円で大量のかつおが食べられる「かつおのさしみ定食」なるメニューを出す食堂まであるとは、全く気付くこともありませんでした。

 おそらく、そのあたりを歩くのは遅い時間が多く、市場の活動時間と一致しなかったことが気付かなかった原因でしょう。(そもそも、そのあたりを歩く機会そのものが少ない)

 しかし、まさに徒歩圏内のことを、遙か遠くに住んでいる人から教えられるというのはかなり衝撃的な出来事です。「中央卸売市場」が今この瞬間の私には、強く意識される存在だった……というのも、この漫画を面白く読めた理由の1つなのかもしれません。